在宅介護とご家族のための声かけのコツ
在宅介護のご相談で、ご家族から最もよく伺うお悩みは「どう声をかければいいか分からない」というものです。お父さま、お母さまの様子が以前と変わってきたとき、どんな言葉なら届くのか ─ これは、実は私たち専門職にとっても、日々考え続けているテーマです。
「否定しない」ことから始まる
たとえば、認知症の症状で同じことを何度もお尋ねになる場面。ご家族としてはつい「さっきも言ったでしょう」と返したくなります。けれど、ご本人にとっては、それは初めての質問なのです。
「そうなのよ、〇〇なのよ」と、何度でも穏やかに繰り返す。これは大変なことのように思えますが、否定の言葉を返したときのほうが、結果として双方にとってつらい時間になります。
「短く・具体的に・選択肢を一つに」
長い文章での説明は、伝わりにくくなることがあります。「お風呂とお食事、どちらにしますか?」と尋ねるよりも、「お風呂、入りませんか?」と一つに絞る。「夕方になったらね」より「あと少ししたらね」と具体的に。
これは、ご本人の判断の負担を減らすための工夫です。意思を尊重することと、選択肢を絞って楽にすること ─ この二つは両立します。
「できないこと」より「できること」に目を向ける
介護が必要になっても、ご本人ができることは必ずあります。お茶を入れる、お皿を運ぶ、お洗濯物をたたむ。それを「もう無理だから」と取り上げてしまうと、ご本人の自尊心は静かに削がれていきます。
「お母さん、今日もお茶をいただけますか?」と頼ること。それは、ご本人の役割を守ることでもあります。
ご家族自身も大切に
在宅介護では、介護をするご家族自身の心と体の健康が、何より大切です。「ひとりで抱えなくていい」「専門家に頼っていい」 ─ これは、私たちが声を大にしてお伝えしたいことです。
地域包括支援センター、ケアマネジャー、訪問看護、デイサービス。使える社会資源は、想像以上にあります。ベネスタイルケアでも、在宅介護のご相談を随時お受けしています。お一人で抱え込まず、ぜひ一度ご相談ください。